惑星

太陽

太陽は生命の中心であり、太陽系全体がその周囲を回り、太陽に、温もりの力や光を依存している。生命の父とも表現される。また同様に、人間の根源的な霊魂、他のすべてが、そこから枝葉を伸ばすような核となるアイデンティティーを表している。チャート上の太陽の位置は、その人の潜在的な創造力と運命を啓啓示している。身体的には、体細胞全般、全身の状態、特に心臓と循環、そして胸腺(内分泌腺は心臓につながっているので)を機能させている。太陽の作用の乱れは、広範囲に影響を与え、慢性的なエネルギーの漏出をはじめとする、全身性疾患を引き起こす。太陽は、獅子座を支配する。関係性のある金属は金である。


生命の母と表現される。自らは光らないが、太陽の光を地上の命あるものに反射する。太陽が炎による受胎を表すならば、月は見ずによる受胎を表す。月は潮の干満を生み出し、それをつかさどり、同様に命ある水の律動的な動きをもつかさどる。そのため、体液(特に静脈血、リンパ、結合組織、そして腺分泌物)と、免疫系に影響を与える。太陽は、超意識または高次の領域の霊的な局面とつながるが、月は、潜在意識下に忘れられた魂のエレメントとつながる。そのため、無意識下や潜在意識下における習慣や、記憶、過去世、遺伝により受け継いだ習性に対応する。蟹座を支配する。関係性のある金属は銀である。


水星

水星は、神話のなかでは、翼を携えた神の使者である。太陽に最も近い既知の惑星である。認識を意識レベルに上げる象徴で、理解力、認識と思考を活性化する。思考を機敏に、柔軟にし、意見を判断したり、交換したり、周辺世界の自然を発見したりする能力を与える。コミュニケーションしたいという強い衝動があるが、遊び、冗談、いたずらへの衝動も強い。チャート上の位置は、これらの精神面とコミュニケーションに関する資質の強さに影響を与える。不均衡な場合は、落着きのなさ、神経質な性急さ、散漫なエネルギー、あるいは極端な知的追求への傾倒につながる。甲状腺、肺、呼吸と神経系に影響を与える。双子座と乙女座を支配する。関係性のある金属は水銀である。


金星

水星に対して金星は、女性の本質とたとえられる。調和、美、優美、愛の歓喜のエネルギーを表現している。物と物との関係性を、実態を見抜く力で認識し、他者を理解し、そして自然と芸術を愛することを可能にする。チャート上で金星の力が強調されすぎると、節度のなさ、性的過剰、快楽主義者、他者をなだめたり、他者の便宜を図ったりすることを心配しすぎる、または不満になるなどの傾向がみられる。内分泌とホルモン、特に副甲状腺、青年の成長と成熟、静脈血循環に影響を及ぼす。牡牛座を支配する。関係性のある金属は銅である。


火星

火星は、挑戦、危機または危険などに反対する原動力を表している。闘争的な気迫、生存本能、意志の力、克服するための雄雄しい勇気を与える。男性的な強さと回復力を授ける。ネガティブな配置や影響に対して過剰に反応する場合には、敵対、口論、暴力、破壊、過度の批判、残酷さ、性急さがもたらされる。チャートに弱さが表われると、自信の欠如

自発性のなさ、体力や原動力の減少を招く。副腎、男性生殖腺、赤血球と筋肉(主に骨格筋)を支配する。チャートの火星が障害されると、手術やけがを誘発することが多い。牡羊座を支配するとともに、霊的な道へと導く鍵となる惑星である。関係性のある金属は鉄。


木星

木星は、天空における特別な力を与えられた至上の神であり、他のすべての神と人間の原理の創設者である。木星は、豊穣、富、幸運に携わり、王や聖職者に英知を授け、すべての儀式や祭式の背後で力を与えている。自らの視野を広げる力、哲学的になる才能、機会をとらえ実現する能力をもたらした。それは特に、熟年に共振する。木星の配置がネガティブな場合、または相互関係が悪い場合には、資源の枯渇を伴う、過剰な成長、過度の楽観主義を招き、利己主義的になる。逆に、影響が弱い場合には、不足感、悲観、不活発さに帰着する場合もある。肝臓、代謝系全般、下垂体の要素(特にホルモンの機能)を管理する。射手座を支配。関係性のある金属はスズ。


土星

天王星が発見されるまでは、土星の軌道が、太陽系の限界であった。そしてなおも個人の惑星の限界である。土星は、期間、闇、闘争、限界だけではなく、法律、秩序、農業と収穫のエネルギーともかかわりがある。土星を通じて、人間は、自分たちがまいた種を刈り取り、無上の正義とカルマという概念から明らかになる。良心、義務、責任、自制を授ける偉大な師であり、学びが必要なところを啓示する。特に晩年や、父祖のような人物に共振する。チャート上の影響が強すぎる場合には、目的のなさ、精進のなさ、整然と活力を使えない結果になる。骨格、脾臓、皮膚を制御し、山羊座を支配する。関係性のある金属は鉛。


天王星

神話では、ウラヌスは天界を表し、サトゥルヌス(サターン)の父である。ウラヌスが、息子に去勢され、不具にされたことは、天界から世界への分離または分裂を表す。この惑星は、多くの激変、独立を求めての革命戦争、奴隷制と圧迫に反対する闘争が持ち上がっていた最中の、1781年に発見された。そしてそれに引き続き、科学、情報伝達システム、電気、無線と放射線の使用という新しい時代が幕を開けた。天王星は、1つの状態から、精神活動を、高次の創造性とチャネリングへと導いている。反抗、個性、革新、強い意志、独立心、家風や安全性を絶ち、標準的であることからの逸脱を導く。天王星のネガティブな配置や、力の誤用は、ひねくれ、究極の不条理、専制、頻繁な間違いを招き、人生をかけて苦労して学ぶことになる。松果体、下垂体を制御し、星座は水瓶座である。関係性のある金属はウラン。


海王星

神話では、ネプチューンは海の神(ポセイドンともいう)である。この惑星が発見されたのは、1846年、蒸気による技術、ガスによる照明装置、手術時の麻酔薬が広まり、霊性、超常現象、オカルト、催眠術への興味が復活した時代であった。空気と「エーテル」を通じて病気は蔓延するという理解のもとに、福祉と公衆衛生が重要視されるようになった。海王星は、物質的な次元を幽玄な領域に浸透させ、境界線を解消する。個人を、広大な集合体、未知なるもの、夢、そして現実の別の様相に、神秘的な方法でつなぐ。金星よりオクターブ高い海王星は、個人的な愛を、普遍的な愛に変容させ、神聖な計画に対して貢献するための犠牲を受容できるようにする。理想的な完全、アルコールや、その他の向精神薬、レクリエーショナルドラッグへの依存傾向を生じ、自己欺瞞、偏執症あるいは傷つきやすさを伴うゆがんだ霊媒能力、幻想に満ちた思考、誇大妄想、そして他者の犠牲や被害者になるといった状態になる。松果体、下垂体を制御し、星座は魚座である。癌は、海王星の進行が妨げられたことにより生じる特有の病気である。関係性のある金属はネプツニウムで、すべての透明物質にかかわりがある。


冥王星

神話では、冥王星は冥界の神(ハデスともいう)であった。この惑星は1930年に発見された。狂信的な力が台頭し、集団暴力、世界大戦、原子爆弾、石油の消費が格段に増加し、地球が汚染された時代である。フロイトやユングの精神分析による潜在意識や無意識に入り込む治療法もみられた。冥王星は、無意識と人間の心理の暗黒の要素、これらの深いところに潜在する基本的な力、肉体的そして霊的な再生、死と復活を表す。あらゆる目的について、隠れた原因を探り、潜在的な傾向を打開し、変容の危機に対処するための力を授ける。触れるものすべてを強め、触媒作用を及ぼす。火星の高オクターブ。この機能がうまく作用しない場合は、狂信、強迫観念、権力闘争、暴力と性的虐待を招くこともある。冥王星にかかわる疾患は、他の関係性のある惑星や黄道十二宮により支配されている。身体のあらゆる部位の内分泌や調節システムの乱れや協調不能を起こす傾向がある。蠍座を支配する。関係性のある金属はプルトニウム。